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本コラムは、訪問診療を展開する医療機関様から弊社がお伺いするお悩みをもとに、現場の課題を整理したものです。


近年、地域包括ケアの推進により、在宅医療や訪問診療の役割が一層重視されるようになってきました。
病床数の抑制、在宅看取りへの関心の高まり、慢性疾患患者の増加――
時代のニーズと制度設計の両面から、在宅・訪問診療のニーズ増が進んでいます。
そのような背景を受け、在宅・訪問診療を展開するクリニックの数も年々増加しています。
しかしその一方で、「診療はできているけれど、現場全体が回らない」――
そんな、医療事務をめぐる課題や悩みは、多数の医療機関の関係者様より多く伺うようになってきています。
私たちは、在宅医療の質と継続性は「診療そのもの」だけでなく、それを支える医療事務体制の安定性に大きく左右される、と考えています。
今はなんとか問題なく対応できている。しかし、
「患者数が増えたとき、本当にこのままで大丈夫か不安」
「ベテランさんが急に退職するリスクが怖い」
そんな“漠然とした不安”を、多数の医療機関様が感じていらっしゃること、私たちもひしひしと実感しています。


在宅医療を支える「事務体制のリスク」

実際、多くの在宅・訪問クリニックが直面しやすい事務の課題には、以下のようなものがあります:


  1. 採用難・人材不足
    訪問診療に精通した医療事務スタッフの採用は、地域差が大きく、そもそも人材の母数自体が限られています。
    特に在宅医療に必要な知識(管理料や各種指示書料、検査・処置の算定、施設基準による算定の違いなど)は、外来医療とはまた異なる領域であり、未経験者の育成には相応の時間と指導力が必要です。
    そのため「即戦力人材を見つけられない」「育成する余裕がない」「せっかく育った人が辞めてしまう」といった人材に関する悩みが、慢性的な課題となっています。


  2.  属人化・オーバーワーク
    業務が数人に分散しているように見えて、実際は特定のスタッフに負荷が集中しているケースが少なくありません。
    特に、レセプトや加算チェック、返戻対応など専門性の高い業務ほど「○○さんしかできない」という属人化が進んでしまうというお悩みはよく伺います。
    そうした状況下で、体調不良や急な離職が発生すると、業務が滞り、現場全体に混乱が生じます。
    そして、そのしわ寄せが医師や看護師の事務負担に跳ね返るという悪循環が生まれがちです。


  3. レセプト・文書業務の精度と負担
    在宅医療特有の加算(在総管、施設入居時管理料、ターミナルケア加算など)は算定条件が複雑で、診療録や文書との整合性も求められます。
    さらに、診療情報提供書、訪問看護指示書、同意書、報告書などの文書作成や管理も日常的に発生し、それらを限られた人員で対応している医療機関様も多くいらっしゃいます。
    こうした事務処理の精度が落ちれば、返戻・減点・請求漏れにつながり、経営的な損失にもなります。


“診療に集中できる体制”を支えるには

目の前の業務は何とかこなせていても、制度改定や患者数の急増が起きたとき、一気に現場が立ち行かなくなる可能性があります。
これらの事務の課題は、今は「何とか現場でこなせている」という課題が目に見えていない状態でも、
患者数の増加、制度改定、人材変動といった“変化”が起きたときに一気に顕在化します。
こういった課題に直面する前に、【個人の努力に依存しない“仕組み”】を構築しておくことの必要性を感じていらっしゃる方が多くなってきました。
仕組みづくりの一つの手段として、医療事務の一部を外部の専門チームに託す「外注化」という選択肢があります。
単なる切り離しではなく、院内スタッフと連携しながら役割分担を最適化する手段のひとつです。


専門チームへの外注化という選択肢

医療事務を外部に委ねる方法には、主に「人材派遣」と「業務委託(オンサイト)」、「遠隔医療事務サービス」の3つがあります。
いずれも院内の負担を軽減する手段ではありますが、在宅訪問診療においては、特に「遠隔医療事務サービス」が適していると言える理由があります。
その理由の一つは、在宅医療に必要な算定や加算要件に精通した人材が非常に限られていることです。
特に採用難なエリアでは、こうした専門知識を持つ医療事務スタッフを新たに採用すること自体が難しく、育成にも時間と労力がかかります。
遠隔型であれば、地域にとらわれず、専門性の高い支援を受けることができます。


次回

次回は、なぜいま世の中で在宅訪問診療に特化した遠隔医療事務サービスが広がっているのか、その背景とともに、ニチイが提供できる具体的な支援内容について詳しくご紹介します。


👉 在宅医療・訪問診療に特化した医療事務支援|NichiiConnect
弊社の在宅医療に特化した遠隔支援サービスの「NichiiConnect」では、
単なる作業代行ではなく、チーム体制による算定や、必要に応じてミーティング等で改善提案も提供しています。
“仕組み”としての外注化を検討する際には、こうした専門チームとの連携も一つの選択肢です。ぜひご検討ください。


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