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患者さんは“地図で探す”時代に

クリニックを探すとき、患者さんはどのように検索しているでしょうか。
「内科 ○○市」「耳鼻科 ○○駅」など、地名や駅名と診療科を組み合わせてGoogle検索する人がほとんどです。
このとき、検索結果の上部に表示される「地図付きのリスト」が目に入ります。患者さんが検索した際、このリストの上位に表示されることは、自院を見つけてもらう一番の近道になります。

この「地図付きのリスト」が表示される仕組みは「ローカル検索」と呼ばれ、検索する人の位置情報が考慮されています。
この仕組みを意識してクリニックが行うべき対策が「ローカル検索対策=ローカルSEO」です。
本コラムでは、ローカル検索で選ばれるための基本的なローカルSEO対策をご紹介します。


ローカルSEO対策の基本

1.まずは「Googleビジネスプロフィール」に登録

ローカル検索の中心となるのが、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)です。
ここにクリニックの情報を登録しておくことで、Googleマップや検索結果に「診療時間・住所・電話番号・写真・口コミ」などが表示されます。
登録自体は無料で、Googleアカウントさえあればすぐに始められます。


登録の流れ(すでにGoogleマップに表示されている場合)

  1. Googleアカウントの作成
  2. ナレッジパネル(検索結果の右側に出るクリニック情報の枠)から「ビジネスオーナーですか?」をクリック
  3. 「管理を開始」をクリック
  4. オーナー確認(本人確認のための手続き)の方法を選択
  5. クリニックの名称や住所、電話番号などを入力
  6. カテゴリ(例:「内科」「小児科」「歯科医院」など)を選択
    画面の案内に沿って、クリニックの情報を入力していきます。

※Googleビジネスプロフィールの仕様変更により、表示される案内が異なる場合があります。

これでGoogleマップにクリニックの情報が表示されるようになります(情報が反映されるまで数日かかる場合があります)。
まずはここまでをしっかり行うことが、ローカルSEOの第一歩です。


2.クリニックの情報は「正確に」「統一して」登録する

登録の際に大切なのは、すべての情報を正確に入力することです。
Googleは「情報の正確さ」を非常に重視しており、住所や電話番号の誤りがあると、検索順位が下がることもあります。
特に注意したいのは「NAP情報」と呼ばれる3点です。

  • N(Name):クリニックの名称
  • A(Address):住所
  • P(Phone):電話番号

この3つを、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、ポータルサイトなど、すべて同じ表記にそろえることが大切です。
たとえば、

  • 1丁目2-3」と「1-2-3
  • クリニック」と「医院

などの微妙な違いも、Googleは別情報として扱うことがあります。
登録後も、診療時間や休診日を変更したときは、すぐに修正しましょう。
情報が最新であるほど、Googleからの評価も上がりやすくなります。


3.写真を掲載して“安心感”を伝える

Googleマップでクリニックを探している患者さんは、口コミと同じくらい写真を見ています。
「外観」「待合室」「受付」「診察室」などの写真を載せることで、初めて訪れる人も安心して来院しやすくなります。
おすすめは以下のような写真です。

  • 外観写真:入口や看板がわかるものは、初診患者の道案内として効果的です。
  • 院内写真:待合室や受付の雰囲気を伝えましょう。
  • スタッフ写真:院長・スタッフが笑顔で写っている写真は信頼度アップ。

定期的に写真を入れ替えると、「新しい情報を発信しているクリニック」として好印象を与えられます。
また、季節の飾り付けや掲示物などを写すと、地域密着の雰囲気も伝わります。

※写真には患者さんや個人が特定される情報が写り込まないよう、十分に注意しましょう。


4.口コミは“信頼の証”として活用しよう

口コミは、患者さんにとってクリニックを選ぶ大きな判断材料です。
とはいえ、「口コミ」とは書き手の主観にもとづくもの。
当然、ネガティブな口コミが入ることもありますが、冷静に返信することで信頼を保てます。
「貴重なご意見をありがとうございます。今後の改善に活かしてまいります。」といった一言で十分です。
口コミ対応を“リスク”と捉えるのではなく、“信頼づくりの機会”と考えることが大切です。

※返信の際は診療内容や個人情報に触れないよう注意し、プライバシーに配慮した表現を心がけましょう。


5.投稿機能を活用して「最新情報」を発信

Googleビジネスプロフィールには、「投稿」機能があります。
これを使うと、「休診のお知らせ」「インフルエンザ予防接種開始」「新しいスタッフ紹介」などを簡単に発信できます。
ホームページ上のお知らせページだけではなく、Googleマップ上でも最新情報が見えることは、患者さんの利便性の向上にもつながります。
更新は月1回程度から無理なく始めましょう。
「情報が動いている」だけで、患者さんは安心感を得られます。


6.ローカルSEOを強くする3つの視点

ローカル検索で上位に表示されるためには、Googleの評価要因を理解しておくことも大切です。
主に次の3つの観点で検索順位が決まるとされています。

  • 関連性(Relevance)
    検索キーワードとクリニックの情報がどれだけ一致しているか
    例:「皮膚科」で検索したときに、プロフィールに「皮膚科」と明記されているか
  • 距離(Distance)
    検索している人の位置情報からの距離
    ※コントロールは難しいが、正確な住所登録で評価が安定
  • 知名度(Prominence)
    口コミの数や評価、写真等の更新頻度、外部サイトからの言及など

つまり、「正確な情報」+「定期的な更新」+「口コミや写真の充実」がローカルSEOの基本です。


7.ホームページとの連携で信頼性を高める

Googleマップでクリニックを見つけた患者さんの多くは、次にクリニックのホームページを確認します。
そのため、ビジネスプロフィールに登録するホームページのURLは必ず最新のものにしましょう。

ホームページ上の住所や診療時間、電話番号の表記をプロフィールと一致させることも重要です。
一致していない情報があると、Googleは「不正確」と判断し、評価が下がることがあります。


8.継続することで「地域に選ばれる医院」へ

ローカルSEO対策は、一度登録して終わりではありません。
定期的に情報を見直し、写真を更新し、口コミに返信する——この積み重ねが、地域での信頼につながります。
Googleマップの情報は新規患者の入口であり、既存患者にも安心を与える大切なツールです。
これまで「Googleマップは勝手に表示されるもの」と思っていた方も、 “自分で管理できるクリニックPRの場”として活用してみてください。


まとめ

ローカルSEO対策は、難しい専門知識がなくても始められる“集患対策”です。

  • Googleビジネスプロフィールに正確な情報を登録
  • 写真・口コミ・投稿で最新情報を発信
  • ホームページ等との一貫性を保つ

この3点を意識するだけで、地域の患者さんに選ばれるクリニックづくりが進みます。
まずはご自身のクリニックをGoogleマップで検索し、「表示内容を確認すること」から始めてみましょう。


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