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目次

5W1Hを明確にした増患に繋げるPR戦略

「Face to Faceでのコミュニケーション」~オーダーメイドの情報収集と情報提供~


「入院患者を増やし安定的に高稼働で病床を運営する」、これは病院経営に携わる方々の共通した課題だと思います。

病床規模、病床機能にもよりますが、200床以上の急性期病棟を持つ病院であれば、入院患者の主な獲得ルートは「救急患者」と「紹介患者」になります。特に、安定的な病床運営を考える上では「紹介患者の獲得」は最も重要な課題と考えられます。紹介患者の入院移行率は非紹介患者よりもかなり高く、外科系の診療科宛の紹介であれば50%以上の入院への移行が期待されます。

前回(集患対策 その①)ではSWOT分析的なPR手法を紹介しました。自院の“強み”であれば少し広いエリアに対しPR、“伸びしろ”は近隣のエリアに最新情報を正確にお伝えする、“弱み”は逆転的発想で“強み”となる要素はないか検討するといった内容です。


5W1Hを明確にした増患に繋げるPR戦略

そこで今回は、「今更?」と言われそうですが、改めて5W1Hを明確にしたPR戦略、特に訪問営業について紹介します。
いつ(When)どこに(Where)誰が(Who)何を(What)なぜ(Why)そして、どのように(How)PRしていくかを、どの順番に明確にしていきましょうか、という話です。


ある病院の事例です。
Why    自院の強みである
What    循環器内科のカテーテル治療を
Where    自院の所在地である市と隣接する4市の内科標榜診療所(約150件)に
Who    地域連携室の事務員(営業担当)が
When    第1四半期中に
How    循環器内科の医師・実績・受け入れ可能疾患を記載したチラシを活用しPRする。


別の事例です。
Why    自院の「伸びしろ」である
What    昨年度新しい機器に更新したCT・MRIによる画像検査について
Where    医療圏内で昨年度の紹介患者が1人~11人の診療所(約180件)に
Who    地域連携室の事務員(営業担当)が可能であれば放射線技師長と同行で
When    5月~8月の間に
How    画像検査機器の性能・検査実績・紹介の手順等を記載したチラシを活用しPRする。


「Face to Faceでのコミュニケーション」~オーダーメイドの情報収集と情報提供~

訪問(PR)活動については、まずは「足を運んでFace to Face(対面)でのコミュニケーション関係を構築」することが重要です。ただし、訪問相手(診療所等)の時間を消費させていただくという観点から、「何かございませんか?」という御用聞き営業は避けたいところです。
そこで前述のように5W1Hを明確することにより、効率的に伝えたいことを情報提供していくことを考える必要があります。

また、一方的な情報提供だけではコミュニケーションの構築ができたとは言えません。訪問活動において情報提供以上に重要なのが、相手方の不満や要望を聞き出す、いわゆる「情報収集」です。訪問でのコミュニケーションの一番のメリットは、個々の医療機関の「情報収集」にあると言っても過言ではありません。

一般的に広報はMass(不特定多数の大衆)にできるだけ多くの情報を伝達することを目的に行われます。一方、訪問型のPR活動は個々の医療機関から得られた情報に対し、個別により深く正確な情報を伝えることが可能です。いわゆる「オーダーメイドの情報収集・情報提供」の仕組みが構築され、より密接なコミュニケーションの構築が可能になると言われています。

良好なコミュニケーションは信頼関係に繋がり、診療所の顧客である「患者」を紹介いただけるという成果が期待できます。
5W1Hを明確にした訪問(営業)活動は、一方通行の情報伝達ではなく、双方向の意思疎通・情報提供を可能にし集患につながるということで、地域連携強化を検討中の医療機関様にご参考にしていただければと思います。

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