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※この記事はニチイ学館が従業員に配信する社内報の内容をもとに作成・掲載しています

目次

相手に与える印象の9割は『非言語コミュニケーション』で決まる

『非言語コミュニケーション』から相手の気持ちを読み取ろう!

患者さんも見ている!誤解を招きやすい仕草とは?

参考:~非言語コミュニケーションの落とし穴~ 「思い込み」には要注意!

相手に与える印象の9割は『非言語コミュニケーション』で決まる

⼈が⼈と意思疎通を図るために⾔語は欠かせません。しかし、実際には⼈は意識的にも無意識的にも、『⾮⾔語コミュニケーション~表情や視線、しぐさ、身振り⼿振り、声のトーン、体勢、話すときの物理的な距離など~』といった⾔語以外の⼿掛かりによって、メッセージを伝達しているといわれています。
アメリカの⼼理学者、アルバート・メラビアンによって提唱された「メラビアンの法則」によると、⼈がコミュニケーションで受け取る情報の割合は、相⼿のジェスチャーや視線・表情といった「視覚情報」から55%、声のトーンや口調・大きさ・話す速さなどの「聴覚情報」から38%であり、話の内容である「⾔語情報」からはたった7%とされています(図1)。
マスクをつけて表情が読み取りづらいうえに、声が届きにくく、コミュニケーションが取りにくい今、『非言語コミュニケーション』を上手に活用することは患者様・職員様への対応だけでなく、日常生活にも役立つかもしれません。

『非言語コミュニケーション』から相手の気持ちを読み取ろう!

表情や仕草といった⾮⾔語的要素には「⾔語」を補助する役割があり、無意識に変化する相⼿の⼼の状態や考えを把握することができます。例えば、本音と建前という⾔葉があるように、口で⾔っていることと⼼のなかで思っていることが違うことがありますよね。患者さんのご家族が⾔葉では「大丈夫です」と⾔っていても、暗い顔をしてうつむいていたら、患者さんを想い、不安や⼼配を抱えているのだと気がつきます。
医療機関に来院される患者さんの中には、はっきりと大きな声でご自身の状態を伝えてくれたり、表情豊かに気持ちを伝えてくれたりする方もいますが、多くの患者さんは病や不調だけでなく、不安や心配といった繊細な気持ちを抱えて来院されます。その際に、患者さんやご家族のちょっとしたサインを見落とさないように、心の声や気持ちの変化、違和感に気がつくテクニックがあったらどうでしょう。「患者さんが何を伝えたいのか」「何に困っているのか」、今より早く気がつくことができ、お声かけをするきっかけになります。それでは実際に、相手の気持ちを読み取るポイントを見てみましょう。


①相手の動き・行動から読み取る

 不安・緊張・動揺がうかがえる言動
 ・髪を触りながら会話をする
 ・時計を気にする
 ・両⼿を合わせる(腕を組む)
 ・袖口やボタンを触る
 ・何度も足を組み替える
 否定(話を聞きたくない)する言動
 ・耳を触る
 本心を探られたくない・反対意見がある言動
 ・腕を組む
 自分に関心がある、好意を持っている、警戒がない
 ・組んだ足のつま先が⾃分に向いている

②相手の目線・視線から読み取る

 警戒・怒り・不愉快
 ・眉間にシワを寄せる
 ・⽬を細めて相⼿を見る
 ・会話中に視線を合わせない
 ・⽬を見開く
 緊張している、不安な気持ち、気まずい心理
 ・まばたきが多い
 画像・映像・イメージを思い出したい
 ・上を見る
 何かを思い出したい・考えたい
 ・下を見る
 相手の気持ちを知りたい
 ・⽬を見つめる

③声のトーン・話し方から読み取る

 不安・緊張
 ・話すテンポがだんだん速くなる
 不満・敵意
 ・ 話すテンポがだんだん遅くなる
 感情的・威圧的
 ・ 声のトーンを上げて速くなる

患者さんも見ている!誤解を招きやすい仕草とは?

『⾮⾔語コミュニケーション』を知ることで、相⼿の気持ちを理解することができるようになります。しかし、裏を返すと患者さんやご家族も、私たちの⾏動や視線から感情を読み取ることができるということです。そのため患者さんと接する際、私たちも『⾮⾔語コミュニケーション』には注意が必要です。何気ない⾏動が、患者さんに誤解を与えたり、勘違いされたりすることもあります。
次に紹介するのは、患者さんと接する際に特に注意しておきたいポイントです。


誤解を招きやすい仕草

✓書類をみるときに⽬を細める、眉間にシワをよせる
 ⇒患者さんの⼼情:怒っているのかな?
✓相⼿の話を聞くときに頷く回数が多い
 ⇒患者さんの⼼情:軽く捉えられている?
✓会話中、笑顔がこわばってしまう
 ⇒患者さんの⼼情:⾃分のことを怖がっているのかな? 緊張しているのかな?
✓姿勢が悪い、猫背になる
 ⇒患者さんの⼼情:自信がなさそう…疲れているのかな?
✓無表情で語尾が聞き取れない
 ⇒患者さんの⼼情:事務的・機械的で心が感じられないな…

このように『⾮⾔語コミュニケーション』には意味があり、多くのメッセージを発信しています。⾔葉だけに注⽬するのではなく、態度や声といった非言 語的要素から相⼿の気持ちを考え、状況を察して対応することが大切です。
しかし、『⾮⾔語コミュニケーション』で相⼿の感情をすべて読み取ることはできません。また、この仕草をしているからこの⼈はこう考えている!と決めつけることは禁物です。相⼿の気持ちを読み取る⼿段の⼀つとして取り⼊れましょう。
Withコロナでマスクが当たり前となった今、声が聞こえづらく「言語」によるコミュニケーションが難しいからこそ「非言語」を用いて患者さんやご家族の気持ちにアンテナを張り、寄り添ったおもてなしを提供していきましょう。

参考:~非言語コミュニケーションの落とし穴~ 「思い込み」には要注意!

今回の記事で、『⾮⾔語コミュニケーション』の重要性はご理解いただけたと思います。
ただし、⾮⾔語的要素から何かに気づいて⾏動につなげる際、「思い込み」には要注意です!

例① ⾼齢者(⾒た⽬)のため、「ゆっくり」話をした
   →せっかちなお年寄りもいます!
例② 障がいのある⽅(⾒た⽬・話し⽅)のため、「不⾃由」「助けが必要」と思った
   →決めつけた声かけ・⼿助けが⾃尊⼼を傷つけることがあります!

若い⽅でもゆっくりとした説明が必要な⽅もいれば、障がいがなくても助けが必要な⽅もいます。先⼊観にとらわれず、⼀⼈ひとりの状況や様⼦に合わせて「さりげないお声かけ」をしてみましょう。
お声かけは基本の挨拶から⼊ると良いです。「おはようございます」「こんにちは」のあいさつをすると、相⼿の反応が分かります。初めから「いかがなさいましたか?」と声をかけると、「どうもしていない!」と拒否されることがあるためです。⽤がなく、ただ⽴ち⽌まって辺りを⾒ているだけの⼈もいます。皆が同じものさし(価値基準)を持っているわけではないので、誰もがお声かけをされて喜ぶわけではないのです。また同じ人でも、状況やそのときの心理状態によって感じ方が異なります。
そのため、まずは挨拶をして相⼿の反応(⾮⾔語の部分)を⾒てみましょう。「何かに不安を感じているようだ」「具合が悪そうだ」「急いで何かを話したいようだ」「周りに聞こえないように何かを相談したいようだ」などの反応がうかがえたら、「いかがなさいましたか?」「具合はいかがですか?」「何かお⼿伝いいたしましょうか?」「お困りのことはございませんか?」など相⼿に合わせたお声かけを行いましょう。相⼿の気持ちや状況を察して対応することで、きっと今よりもっとスムーズで良好なコミュニケーションにつながるでしょう。

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