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※この記事はニチイ学館が従業員に配信する社内報の内容をもとに作成・掲載しています

目次


怒りはエネルギーになる?

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントのポイント

ワンポイントテクニック

参考:「怒り」がノーベル賞を生んだ⁉

怒りはエネルギーになる?

皆さんは日頃、何かにイライラしたり、ムカッとしたとき、どのように怒りに対処していますか? ついカッとして強い口調で言い返したり、うまく感情を切り替えできずに黙り込んでしまったり……。冷静になったとき、自分の行動を振り返って後悔した経験もあるのではないでしょうか。
では果たして「怒り」は悪い感情なのでしょうか。実はそうでもないかもしれません。相手にはっきりと自分の意志を伝えられたり、真剣さや本気度が伝わることもあります。そして時にはアスリートが負けた悔しさをバネにして努力するように、自分を動かす原動力やモチベーションにもなります。
このように「怒り」と上手く付き合うことができれば、実は私たちのエネルギーにもなり得るのです。

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントは、怒りの感情を否定するものではありません。怒るべきことに対してはきちんと怒ることも必要です。重要なのは、いかに「怒り」の感情をコントロールして、うまく付き合うか。そのためのテクニックであり考え方となるのが、アンガーマネジメントです。
アンガーマネジメントを習得することで、怒る必要があるもの、必要がないものの線引きができるようになり、仕事だけでなく、子育てや家事といった日常生活も豊かになるかもしれません。

アンガーマネジメントのポイント

①最初の6秒をやり過ごす

怒りの対処法に共通するのは、まず絶対に「怒りに反射しない」こと。怒りを覚えた最初の6秒は、興奮や攻撃性を高めるホルモンのアドレナリンが分泌されるピークであり、言い返したい、やり返したいといった感情をとても強く感じてしまいます。
強い怒りを覚えたとき、何よりも大切なことは、まずこの6秒を乗り切ることなのです。
しかし、ただ我慢して6秒を乗り切るのではなく、まずは6秒カウントしましょう。心の中で自分の怒りの強さを数字で表してみることも効果的です。0は怒りを感じていない状態、10は絶対に許せないと思うほどの激しい怒り、といった具合です。こうすることで、自分が怒っていたはずのことから、一時的に意識がそれて、怒りのピークをやり過ごすことができるのです。

◇怒りの正体とは?

そもそも、なぜ「怒り」の感情が沸くのでしょうか。「怒り」の正体は何なのでしょうか。
・ご飯を残した子供にイラッ!
・遅刻してきた友達にカチン!
あなたを怒らせたものの正体、それは自分の中にある「べき」「〜すべき」「〜あるべき」「〜べきではない」といった、自分自身の理想や願望、こだわり、欲求といったものが裏切られたことなのです。
この「べき」は、私たちがこれまで生きてきた中で作り上げてきたものであり、十人十色。全員が同じ「べき」を共有することは難しいのです。

◇「べき」のギャップ

職場に置き換えて考えてみましょう。「欠勤の連絡は電話でするのが社会人のマナー」と考えている上司のAさん。一方、新人のBさんは「欠勤の連絡はメールでOK」と考えているとします。仮にBさんがメールで欠勤の連絡をした場合、当然Aさんは「欠勤の連絡は電話ですべきでしょ!」と怒りを感じます。
Aさんが怒りを感じたのは、職務上重い責任を担っていたり、新人であるAさんより長い社会人経験から、欠勤連絡の際は電話で謝罪の一言を添えた方が良い、といった考えを持っているからかもしれません。
このように、「べき」の考え方は立場や世代、経験やシチュエーション、気分などによってギャップが生じやすいのです。

②「べき」の境界線を広げる

しかし、この「べき」には許容範囲があり、この許容範囲を意識して自分の考えや行動を整理することで、必ずしも怒る必要がなくなるかもしれません。
例えば、「脱いだ服は言われなくてもすぐに洗濯カゴに入れるべき」というシーン。自分が考える「べき」に強く縛られてしまうと、他の人が洗濯カゴに入れないとイライラしたり、怒ったりするかもしれません。
「言っても行動しない」のであれば怒っても仕方ありませんが、仮に「1回言えばすぐ行動してくれる」としたらどうでしょう。イラッとしつつも、まあ許容できる範囲かもしれませんよね。「1回言ってやってくれるならまあ許そう」というように、自分の許容範囲を整理することで必ずしも怒らなくてよくなります。
そして家庭内や職場内で「べき」の考えを統一することも重要です。
先の欠勤連絡の例をとると、あらかじめ連絡方法を決めて共有しておくなど共通のルールを作ることで、ルールが破られたときのみ対処すればよくなり、余計な怒りを感じずに済みます。

③怒りの対象を分類する

怒りはその対象を「コントロールできるか、できないか」「重要度が高いか、低いか」に分類することができます。
例えば、とても急いでいるときに電車が遅延していてイライラすることはありませんか?「大切な用事だから遅刻すべきでない」という自分の中の「べき」に縛られて、駅員さんに八つ当たりのように怒鳴っているような光景を見たこともあるかもしれません。しかしこの場合、怒ったところで電車が早く来ることは期待できませんよね。現実を受け入れ、ほかの移動手段を探すほうが良いかもしれません。
事態や物事が怒ることで変えられるのであれば、それは怒る価値があるかもしれませんが、怒るべきことが何なのか、怒らなくてもよいことが何なのかを冷静に考えてみると「無駄な怒り」が取り除けるかもしれません。

ワンポイントテクニック

ここまで、アンガーマネジメントのポイントを説明しました。

① 最初の6秒をやり過ごす
②「べき」の境界線を広げる
③ 怒りの対象を分類する

これらのテクニックや考え方を意識することで、怒りとうまく付き合えるようになります。
しかし、時には怒るべきこともあります。そんなときに使えるワンポイントテクニックが、相手への伝え方「I(アイ)メッセージ」です。
主語を「あなたは」ではなく「I(わたしは)」にすると、マイルドに伝えることができます。
例えば、「どうして(あなたは)いつもファイルを片付けないの!」より、「ファイルが出しっぱなしだと受付内が乱雑になって、ミスが起こりやすくなるから、出したら元の場所に戻してもらえると(私は)助かるな」のほうが、相手に「否定された」印象を与えず、具体的に伝えることもできますよね。



「怒り」という感情と上手に付き合い、自分の気持ちを整え、相手により効果的に自分の想いを伝えられるようにしましょう。

参考:「怒り」がノーベル賞を生んだ⁉

「怒り」がノーベル賞を生んだ⁉
2014年、日本人の研究者中村修二さんが青色LEDの開発でノーベル物理学賞を受賞したことは皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。中村さんは会社に勤めていた社員時代、不可能と言われていた青色LEDの開発に孤軍奮闘する日々を送っていました。上司の批判に耐えた会社員時代「会社の上司たちが私を見るたびに、まだ辞めてないのか、と聞いてきた。私は怒りに震えた」「社内で無駄飯食いと批判された」中村さんは辞職を覚悟で社長に直談判。不可能と言われた青色LEDの開発の許可を求めました。「そうしたら、どういうわけか、5秒間で許可が出た」社長の判断で、研究費の支出や米国留学が認められたのです。

やる気の源は「怒り」の感情
中村さんはノーベル賞受賞後の会見で研究の原動力について「アンガー(怒り)だ。今も時々怒り、それがやる気になっている」と答えました。怒りの感情は、何かを壊すことも多い一方で、建設的なパワーにもなります。不満、劣等感、怒りなどの負の感情であっても、それらをエネルギーに転換して上手に活用できたならば、自分の未来や人生を大きく変えることにもつながることを示してくれた大偉業と言えます。

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