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近年、医療機関を取り巻く環境は大きく変化しています。
病院完結型医療から地域完結型医療への転換、医師や医療スタッフの働き方改革、患者の生活背景をふまえた支援体制の構築など、地域と連携しながら医療提供体制を再構築することがより強く求められています。
その中でも、地域連携室が担う役割はますます大きくなっています。
しかし現場では、「医療機関への訪問・広報活動が属人的になっている」「具体的に何から改善すればいいのか分からない」「訪問はしているが成果が見えにくい」といった声も少なくありません。
こうした課題を乗り越え、地域連携を“経営資源”として活かすには、活動を可視化し、改善を重ねていく仕組みづくりが必要です。
そこで重要になるのが、「PDCAサイクル」の導入です。



なぜ地域連携にPDCAが必要なのか

多くの病院では、地域連携室が“顔の見える関係づくり”を担っています。
ところが実際には、担当者ごとの訪問頻度や記録方法がばらつき、活動が「個人の裁量」に委ねられているケースが少なくありません。
その結果、

・どの医療機関にどの程度訪問しているかが把握できない
・紹介件数が増減しても要因が分析できない
・目標設定が曖昧なまま、日々の活動が続く
といった状態に陥りやすくなります。

こうした“属人化”は、病院経営にとってもリスクです。
連携業務が「見える化」されていないと、成果を評価できず、経営判断に活かせないからです。
だからこそ、地域連携活動に「計画・実行・評価・改善」のサイクルを取り入れ、組織的に成果を生み出す仕組みへと変えていくことが欠かせません。


地域連携におけるPDCAの実践イメージ

PDCAとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4ステップを回すマネジメント手法です。
製造業やサービス業だけでなく、医療機関の地域連携にも応用可能です。
たとえば以下のように整理できます。

・Plan(計画):
 年間の紹介率目標を設定し、重点取組エリアや医療機関を明確化

・Do(実行):
 営業担当が各医療機関を訪問し、病院の特徴やニーズをヒアリング

・Check(評価):
 訪問・紹介件数・面談内容などを定期的にデータで可視化し、傾向を分析

・Act(改善):
 地域ニーズに合わせて訴求内容や訪問計画を見直し、次の計画に反映

このように活動をサイクル化することで、属人的だった地域連携業務が「戦略的なマーケティング活動」へと進化します。
また、PDCAによる活動データの蓄積は、単に地域連携室の効率化にとどまらず、経営層が地域戦略を判断するための重要な指標にもなります。

PDCA導入によって得られる効果

PDCAを継続的に運用することで、「組織としてこんな変化が見えてきた」という声も挙がっています。

・データを基に活動方針が定まり、重点地域・医療機関への訪問が明確になった
・月次で数値と活動を振り返る習慣が生まれ、チーム全体で改善に取り組めるようになった
・経営層に対して「地域連携の成果」を定量的に報告できるようになった


実際、ある病院ではPDCA導入後、過去2年間紹介がなかった医療機関からの紹介が増加したとのことです。
面談記録の蓄積が分析に活かされ、地域ニーズに合った情報発信(診療体制や医師の専門領域の周知など)につながった例もあります。
このように、連携室の活動が“感覚的な動き”から、“数値に基づき成果を見える化しながら改善を重ねる活動”へと変化していくケースが増えています。

PDCA導入の第一歩として、まずは現状の地域連携活動を「見える化」するところから始めてみてはいかがでしょうか。
たとえば、訪問履歴や紹介件数を簡単に一覧化し、どの地域・医療機関との接点が強いかを定期的に確認するだけでも、新たな課題や強みが見えてきます。




PDCAを機能させるための“伴走者”の存在

ただし、PDCAの仕組みを作っても、それを現場で継続的に運用・改善するには相応の知見と工数が必要です。
地域連携室が日々の退院支援や紹介対応を行いながら、戦略立案や分析まで担うのは現実的に難しい、という病院も多いでしょう。
こうした取り組みを軌道に乗せるには、現場を理解した外部の伴走者がいるとスムーズです。
弊社でも、地域連携業務の見える化や改善提案をサポートする「地域連携営業支援サービス」を展開しており、各病院の体制づくりをお手伝いしています。



持続的な地域連携のために

地域連携を成功に導くために必要なのは、「一度の改善」ではなく「改善を続ける仕組み」です。
PDCAサイクルを回すことで、連携室の活動は“個人技”から“組織力”へと進化します。
さらにそのサイクルが文化として定着すれば、連携活動は病院経営の強固な柱となります。

私たちニチイ学館では、病院と地域の関係構築を支える仕組み作りをお手伝いしています。
院内の負担を減らしつつ、持続的に“紹介につながる関係性”を育むための外部パートナー活用を、ぜひ選択肢のひとつとしてご検討ください。

「地域連携営業支援サービス」の詳細はこちら

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