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算定漏れ対策の重要性
診療報酬の算定漏れ対策を最重要課題の1つとして、頭を悩ませている医療機関は少なくありません。
ではなぜ、医療機関は算定漏れ対策に取り組まなければならないのでしょうか?算定漏れ発生が医療機関に及ぼす影響は以下のようなことが考えられます。
1.収益の確保
診療報酬は医療機関の主要な収入源です。算定漏れが発生すると、適切な報酬を受け取れず、経営に影響を及ぼす可能性があります。
2.法令遵守
医療機関は、診療報酬に関する法律や規則を遵守する必要があります。算定漏れがあると、監査や調査の際に問題となることがあります。
3.患者への影響
診療報酬の適正な算定は、適正な収益をもたらし患者に提供される医療サービスの質にも影響します。
適切な報酬が確保されることで、医療機関はより良いサービスを提供できるようになります。
4.業務効率の向上
診療報酬の算定漏れを防ぐための対策を講じることで、業務プロセスの見直しや改善が促進され、全体的な業務効率が向上します。
5.信頼性の向上
適切な算定を行うことで、医療機関の信頼性が高まり、患者や地域社会からの信頼を得ることができます。
算定漏れの原因
1.複雑な制度
日本の診療報酬制度は非常に複雑で、多くのルールや条件が存在します。医療機関のスタッフがこれらのルールを完全に理解し、適切に適用することは容易ではありません。特に、2年に1度の診療報酬改定が行われるたびに、最新の情報を把握し算定に活かす必要があり日々の業務に追われながら最新情報をアップデートしていくのは至難の業です。
2.人的要因
診療報酬の算定は、医療スタッフや事務スタッフの手作業による部分が多く、人的ミスが発生しやすい環境です。忙しい現場では、患者の診療に集中するあまり、算定をおろそかにしてしまうこともあります。
3.情報共有の不備
患者の診療記録や検査の実施状況等の共有が不十分である場合、必要な情報が欠落し、適切な診療報酬を算定できないことがあります。
情報共有の漏れがなくなるよう運用ルール等を定め、関連部署に周知徹底していく必要があります。
4.教育・研修の不足
医療機関内での診療報酬に関する教育や研修が不足している場合、スタッフが最新の知識を持たず、算定漏れが発生するリスクが高まります。定期的な研修や勉強会を実施することが重要です。
レセプト精度調査により、
請求精度の向上・診療現場のコスト意識向上を図ります。
算定漏れ防止に向けた対策
1. カルテの正確な記録
患者の診療内容や処置を詳細に記録し、必要な情報に漏れがないよう対応するよう、院内で徹底する。
2. 業務の分担
医師以外のスタッフ(看護師や医療事務員)に事務作業を分担することで、医師が本来の診療業務に集中できる環境を整える。
3. 業務プロセスの見直し
事務作業のフローを見直し、無駄な手続きを削減することで、効率的な業務運営を行う。
4. 診療報酬ルールの理解促進や最新情報の入手・共有体制の
構築
医療スタッフに対する研修実施や最新の診療報酬改定・関連法規を把握し、適切な算定ができる環境作りをする。
5. ダブルチェック体制の構築
算定内容を他のスタッフが確認する体制を構築することで人的ミスを防止する。